5年生の塾生を対象としたサマーキャンプの模様をお伝えします。場所は、例年の大原湖キャンプ場になります。
目的は、塾生どうしの親睦のほか、自然(特に動植物、天体)に親しむ、自立・自律的に考え行動する機会の体験、としました。特に天体観測に関しては、今回は土星やペルセウス座流星群の観測に最適の日程となったため、徳進館の中型の天体望遠鏡を現地に運び込み、塾生に観測してもらうことを前振りにしていたので、楽しみにしていた生徒も多かったと思います。
キャンプ場では自律的に考えることを体験させるため、火おこし、料理、テント張り、片付けなどあらゆることを自主的に行ってもらいました。どの場面でも、生徒たちは和を大切にし、率先して行動する姿に私自身が大変感動しました。
テントを組み立てる場面では、皆初めての経験のため、とにかく「これはどうすればいいの」と質問してきますが、まず自分で考えさせることを第一として、「この部品はこういう形をしているから、じゃぁどうすればいいと思う?」と投げ返します。組み立て図を眺めて解読する生徒も出てきました。完成しないと遊びにも行けないからみんな必死に考えました。結局私は最後の支柱を高く支えただけで、シートを広げるところからくい打ちまですべてが子どもたちの手で完成しました。
大原湖に流れ込む佐波川上流域は100%石清水です。その透明度は高く、水が大変きれいでした。体長3cmほどの小魚やエビがたくさん泳いでおり、川辺でもその姿を多数確認できます。足をつけると逃げる様子が見え、子どもたちも大はしゃぎです。早速捕まえたいという衝動に駆られ、素手で集める生徒も。ペットボトルに何匹も集めましたが、中の魚が窒息しないように何度も振って空気を溶かし入れたり、水を入れ替えたりしていました。初日のオリエンテーションで、生き物を大切にする心の話をしていたためか、最後は自発的に放流する気遣いまで見られました。
さて、メインイベントの天体観測の話をしますと、心配された天気に恵まれ、それまで雲が多かったもののちょうど8時頃から晴れ始め2時間ほど快晴が続きました。天の川もくっきりと見えるほどで、子どもたちは星の多さや流れ星を見て感動していました。
私の方で天体を自動導入させるための望遠鏡の設定を済ませ、土星に照準を合わせました。口径203mmのシュミットカセグレン式天体望遠鏡の威力で、340倍という高倍率でも素晴らしくくっきりと観測することができました。土星を初めて見た子どもたちは例外なく感動して見つめていました。
その他、子狐座アレイ状星雲(メシエ27)やこと座のリング状星雲(メシエ57)などの惑星状星雲と呼ばれる有名な星雲も観測できたことが貴重で、私自身も興奮していました。
今回は、「疲れを知らない」とはこういうことかとつくづく感じさせられました。料理、テント設営、川遊び、野球、フリスビー、天体観測、肝試しなどさまざまな野外活動をしても、ログハウス内でUNOや人生ゲームなどを楽しみ、つきない時間を過ごしました。それでもまだまだと思いながらテントに移動しても楽しそうな話が続いていました。
最終日には、そう多くはないのですが、川辺のゴミ拾いをしようと提案すると、子どもたちはやる気満々。「人工的なもの」だけを集めようと提案すると、一生懸命プラスチックやビニール類などを集め、「これは人工的ですか?」と質問したり自分で考えたりしながら川辺を美しくしました。「意外とたくさんあるー」と驚いていた生徒も。違う視点で見ることに気づいたことも収穫でした。
あとはカヌー体験などで楽しい時間を過ごし、帰路につきました。
川にはたくさんの小魚がいました。間近に見れて感動していました
今回観測できた貴重な天体たち(左上:M57、右上:M27、下:土星)
カヌーはほとんどの生徒が初めての経験となり、大いに楽しみました