塾を設立した15年前と比べて、通信を取り巻く環境は大きく変わりました。
例えば、フィーチャーフォンが主流の時代であれば、メールは比較的すぐに読んで頂けるものでしたが、今は違います。スマートフォンが主流となって、メールはラインなどのツールに取って代わり、すぐに見て頂けるものでなくなりました。そもそも、メールアドレスも頻繁に変更されますから、メールベースでは持続させることに限界があります。
そこで、ラインのような無料のSNSツールの活用が便利となるのでしょうが、私個人の考えで、保護者のかたの個人のプライベートな環境に塾が入り込むという迷惑な状況になることを避けてきました。また、一斉配信するにも、ラインではグループ化すると保護者どうしがつながってしまう状況になりますし、プライベートも何もなくなり、論外だという考えです。そのため、私の方では、ラインやSNSの交換を排除してきました。そのため、塾向けの専用アプリがあれば、プライベートと塾関連が切り離されますので、保護者側のプライバシーがより守られます。また、メールアドレスを変更しても、業務への影響がなくなります。
メッセージの交換以外では、塾では、保護者のかた宛にさまざまなお知らせを届けておりますが、塾専用のアプリの第一版をこの4月に開発して、まずはウェブベースで授業後の報告などの連絡や告知をするようにしました。運用自体は、管理者側の視点ではうまくいっていると感じておりますが、利用される側の利便性でいきますと全く不十分で、やはりそこで記事の更新が通知されたり、メッセージの交換もアプリで完結することがベストです。
このような塾向けのツールは、国内には主なもので3種類程度存在し、そのすべてについてかなり詳細を検討しました。「この機能はすごい」と思えるものがある一方で、「もう少しこうなればいいのに」と思うところもどうしても出てきてしまいます。
アプリメーカーとしたら、汎用性を優先して開発せざるを得ないためそのようになるのでしょうが、徳進館には徳進館に合った、必要な機能というものがどうしても存在します。そこで、独自のアプリの二段目の開発をするという発想になりましたが、自作するにも今度は安全性に限界があるため、もう一段踏み込んで、専門のシステム開発メーカーと共同開発していくことにしました。
予定通りのものが完成すれば、セキュリティにも十分配慮された塾専用のアプリとなり、そのアプリ内のみでメッセージの交換や塾からの告知や報告書の閲覧が完結します。もちろん、記事の更新時などでプッシュ通知もされますので、利便性が大きく向上することになります。やはり、これが塾でのコミュニケーションツールのひとつの形態だと考えています。
新しいアプリについて、私の方での機能設計は終わりましたが、かなりの機能を盛り込んだため、時期はもちろん、そもそも実現できるかどうかもまだ不明ですが、まずは完成に至れるように慎重にメーカーと打ち合わせと設計を重ねてみる予定です。