来年度から中学校の教科書が改訂されます。その概要について、大手出版社の勉強会に参加して得たことを中心にお話しします。
宇部市では、英語の教科書として長年使用されてきたトータルイングリッシュから、ニューホライズンに変わるようです。慣れ親しんだNanaとTaku(登場人物)ともお別れなのかと思ってしまいますが、1年の最初から一般動詞の説明で始まるトータルからやはりbe動詞のホライズンに、ということなのかもしれません。
前回、4年前の教科書改定はメジャーチェンジでした。つまり、ゆとり教育(平成14年以来実施)で削減された学習内容をほぼそれ以前の水準に戻すという大幅な学習指導要領の変更が行われました。しかし、今回は学習指導要領自体の変更があったわけではなく、各教科書会社が、メジャーな出版社の内容に歩み寄って改定するという形となったようです。そういう点ではマイナーチェンジといえるでしょう。
例えば啓林館の数学を例にとりますと、内容にほとんど変更がなく、応用問題の差し替えが行われた程度であるなど、全教科的に、前回の改訂で既に精力的に編集が行われており、若干やり残したことを強化する内容にとどまっているという印象を受けます。
その他、前回からの継続として、「生徒の興味関心を引く構成と内容」「学力定着のための豊富な問題量」「主体的に学習するアクティブラーニング」というキーワードが見えます。例えば、英語(東書版)では、UNITで知識を習得し、DAILY SCENEでコミュニケーションの活用力、PRESENTATIONで発信(自己表現)する力を伸ばすという構成をとっているなどです。
また、理科や社会は特に変化が少ない科目です。その中でも理科は、現行が「方法、結果、考察」という流れでつくられていますが、これを「目的・仮説、方法、結果、考察」というように、前段階での興味を引き出す工夫が加えられています。社会では、古代史、アメリカ・ロシア、明治初期、領土問題などについて学習範囲が広げられていますが、その他ではほとんど変化がありません。
全体的に変化が少ないことで、指導上の混乱は少なく抑えられそうです。そこで、この4年間で私自身が培ってきた指導ノウハウに基づいて、新教科書でも合理的な授業展開を行うことができそうです。引き続き、授業の改良研究を意欲的に行っていきます。