塾向けの説明会に参加しました(慶進中学・高等学校)

本日、慶進中学校・高等学校の学習塾向け説明会に参加してまいりました。今年度の入試の概要から、進学に向けた学校の取り組み、ICT教育の現状など、多くの情報を頂戴いたしました。日々生徒たちと向き合う立場として、大変に有意義な時間でしたので、印象に残った点を記しておきたいと思います。

冒頭は、この4月に就任されたばかりの田中校長先生のご挨拶でした。就任から半年を振り返って、生徒たちの様子を見ていて最も強く感じるのはバイタリティである、というお話が心に残りました。一学期の行事でも、先日の高校の体育祭でも、来月に控えた中学校のスポーツフェスティバルでも、生徒たちが自分たちであれをやりたい、これをやりたいと申し出てくるのだそうです。もちろん段取りが整わない場面もあるけれども、それを繰り返しながら前へ進もうとする気持ちが強いとのことでした。そうした挑戦する心を大切にしながら生徒と接していきたいと語られるお姿に、学校の空気が伝わってくるようでした。校外の地域連携の活動やイベントにも、多くの生徒が積極的に参加しているとのことです。

続いて、中学校入試のデータが示されました。令和7年度は志願者112名に対して入学者が69名、令和8年度は志願者127名に対して入学者が80名で、いずれも定員に対しておよそ1.6倍という状況です。平均点は令和7年度が203点、令和8年度が190点でした。この点について校長先生は、問題の難易度を上げたわけではなく、国語と算数で若干平均点が下がった結果であると説明されたうえで、平均点が下がったからといって難易度を下げるつもりはないと明言されました。私立中学として一定以上の難易度を保った問題を作成していきたい、というお考えです。

また、中学入試もウェブ出願となり、さらに感染症などで当日受験できなかった方のために「追試験」が設定されるとのことです。受験の機会が一度きりでは不安だという声に応えた形であり、ありがたい変更です。

進学実績については、東京大学に延べ22名、医学部医学科には延べ151名という数字が報告されました。地方の私学として、これは誇るべき積み重ねだと思います。難関大学については、まず本人が志望しなければ何も始まらないという考えのもと、6年間かけて志望者そのものを増やしていく取り組みを続けておられるそうです。不定期に開かれる難関大入試の問題を扱う会では、グループで話し合いながら問題を考えていく、学問の面白さを重視した時間を設けているとのことでした。卒業生である東大生が帰省した折に講座を開くこともあるそうです。医学部志望者向けの医進プロジェクトでは、生徒1人に対して3人の教員がつき、英語、小論文、面接とそれぞれの観点から個別に指導されているとうかがいました。

さて、本塾にとって最も考えさせられたのが、高校入試の「志」推薦で入学した生徒についてのお話でした。この入試は三教科での実施となりますので、五教科を課される一般入試の受験生とは学習の姿が異なります。そして合格が早い時期に決まりますので、学習が主に1月までで区切られてしまう生徒が多いという実情があるそうです。今年入学した生徒の入学時の平均評定値は例年よりもかなり高く、担当の先生方に授業の様子をうかがっても、すごく真面目で、本当に一生懸命に取り組んでくれるという評価だったとのことでした。ここまでは、たいへん喜ばしい話です。

ところが、と校長先生は続けられました。普段の小テストではしっかりと点数が取れるのに、そこから先、たとえば全国規模の模擬試験になると、期待していた水準まで届いていないという報告を受けている、というのです。

この落差について、校長先生は、早期に合格が決まった後の2月と3月をどう過ごしたか、そして入学後の学習の姿勢にあると見ておられました。長期休暇にもしっかりと学習を続けることなど、中長期的に学習できる姿勢を育てていかなければならないと語られました。実際、今年は入学前の課題を例年より早めに、内容も見直したうえで渡す予定であるとのことです。

小テストは取れるのに模試では伸びないという指摘は、私たち学習塾にとって、指導の本質に関わる問題です。範囲の限られた確認テストで点を取る力と、範囲の定まらない実力試験で点を取る力とでは、問われているものの質が異なります。前者は直前の記憶で対応できますが、後者は、いつ学んだことであっても必要な場面で引き出せるかどうかが問われます。だからこそ、一度学んだ内容を時間を置いて何度も呼び戻す作業が欠かせません。

合格は、目的ではありません。あくまでも、その先の学びに進むための入口です。しかし現実には、合格が決まった瞬間に糸が切れてしまう生徒が少なくありません。とりわけ早期に進路が決まった場合、その後の2か月あまりをどう過ごすかで、入学後の立ち位置は大きく変わってしまいます。私たちは、合格を見届けたところで役割を終えるのではなく、そこから先の学びの助走をどう設計するかまでを考えなければならないと、改めて感じた次第です。

学校と学習塾は、立場こそ違いますが、目の前の一人の生徒の学力を伸ばし、その進路を実現させたいと願う点において、目標を同じくしています。今回の説明会では、まさにその協力を求める言葉を、幾度もいただきました。私どもも、頂戴した情報を日々の指導に生かしながら、生徒たちの歩みを支えてまいります。

慶進中学高等学校 学校提供写真
慶進中学・高等学校の塾向けの説明会に参加しました
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