気体発生をテーマにした実験【小学生】

先日の探Q教室では、「水素」をテーマにした化学実験にじっくりと取り組みました。教室に響いた爆発音と、生徒たちの驚きに満ちた声と表情が、今も目に焼き付いています。

午前中は、元素記号の暗記から始めました。覚えることの多い元素記号ですが、手製のかるた形式のゲームを始めると、生徒たちは夢中になって札に手を伸ばし、遊びの中で自然と暗記を深めていきました。続いて行った、手元への集中と安全への意識付けを目的とした「はんだ付け」の練習では、熱した工具を扱いますので、皆、普段とはひと味違う真剣な表情で取り組んでくれました。

恒例となった「はんだ付け」

午後はいよいよ、水素の性質を探る実験です。まず資料集で、亜鉛やマグネシウムに塩酸などを加えると水素が発生すること、水に溶けにくい気体は水上置換法で集めることを、スケッチを交えながら確認しました。水素は地球上で最も軽い気体で、その重さは空気のわずか約0.07倍しかありません。一方の二酸化炭素は空気の約1.5倍の重さがあります。シャボン玉にそれぞれの気体を吹き込むと、二酸化炭素の玉はゆっくりと沈み、水素の玉はふわりと浮かび上がります。目には見えない気体の重さの違いを、生徒たちは自分の目で確かめることができました。

資料集からの学習

そして、この日の最大の見せ場が、水素の燃焼実験でした。試験管に集めた水素に火を近づけると、キュッと音を立てて燃え、管の内側には水滴がつきます。さらに、助燃性のある酸素を適度な割合で水素と混ぜて点火すると、青白い炎とともに、教室中に響く大きな音を立てて爆発が起こりました。2H₂+O₂→2H₂Oという反応式のとおり、水ができると同時に、熱・音・光という大きなエネルギーが一瞬にして放出されるのです。全員がびっくりするような小爆発を間近で体感したこの瞬間は、水素のもつ化学エネルギーの大きさ、そして理科の凄さとして、生徒たちの心に深く刻まれたことと思います。水素がロケットの燃料に使われる理由も、この体験を通してこそ、実感を持って理解できるものです。

後半は、班に分かれての定量実験に挑戦しました。二股試験管にマグネシウムと希塩酸を入れ、発生した水素をメスシリンダーに水上置換で集めて、その体積を測定します。マグネシウムの量を0.05g、0.1g、0.15g、0.17gと変えながら4回の測定を行い、電子てんびんの使い方や、メスシリンダーを空気を入れずに水中で逆さに立てるコツも、実際に手を動かしながら身につけていきました。

講義の様子

測定の後は、横軸にマグネシウムの質量、縦軸に水素の体積をとったグラフの作成です。小数点を含む細かな数値を平面の上に表す作業には、生徒たちもずいぶんと手こずっていましたが、この試行錯誤こそが、数の大小や間隔の感覚を養う何よりの訓練になります。実験値には多少のばらつきがつきものですが、測定点全体のバランスを見ながら、原点を通る直線を引いていくと、入れたマグネシウムの量に、発生する気体の量がある程度比例するという関係が、はっきりと浮かび上がってきました。教科書の中の「比例」という言葉を、自分たちの手と体の感覚で確かめられたことは、大きな収穫だったと思います。

実験の合間には、カードを使った頭の体操も楽しみました。この日は一日を通して、「楽しみながら学ぶ」ことを存分に味わえた回になったのではないでしょうか。楽しいと感じたときにこそ、記憶は深く刻まれます。あの爆発の音や炎の色を思い出しながら、生徒たちが化学や科学の世界への興味をさらに広げていってくれることを、心から願っています。

タイトルとURLをコピーしました