理科の実験教室で「金メッキの実験」を行いました。今回はその模様を紹介します。
まずは、金属メッキの原理を理解するために、人類と金属の歴史を簡単に振り返りました。特にメッキと関連して、金属の防食技術の学習です。日本でも太古から、装飾品や文化財を腐食から守ったことから始まり、歴史を遡ると金属との付き合い方がわかります。
また、日本の金箔と言えば、金沢が有名です。その美しい輝きは、金沢の伝統工芸の一部として、何世紀にもわたって受け継がれてきたものです。金箔を使った工芸品は美しさだけでなく、耐久性も高く、それが現代にも続く金沢の誇るべき文化ですので、資料とともにそういった話を聞かせました。
現代の身近なメッキの例としては、トタンやブリキがあります。これらは亜鉛などの低融点の金属でメッキすることで鉄の腐食を防ぐ役割を果たしています。特に、溶融亜鉛メッキ法では、熱により亜鉛を溶かして鉄板にコーティングします。私の父がそういった技術者で、大型の橋梁などのメッキに関わっていましたので、そういった紹介もしました。
金メッキをするために、ヨウ化物イオンを使用して金を溶かすという工程を説明しました。特に、電解精錬では、電流を利用して金属イオンをマイナス極に移動させ、目的の物体に金を付着させます。このプロセスを紙上で理解して頂いた上で、生徒たちに自ら挑戦してもらいました。
実験の部ではまず、基礎的なはんだ付けの練習を行いました。生徒たちは9V電池にリード線を接続することから始め、その後、本題の金メッキに取り組みました。この金箔には実際に金沢産の純金箔を使用しました。
- 各生徒が持ち寄った金属製品をクリップで挟む
- 電解メッキを施す
- 電解後に洗浄し、ナトリウム塩で磨く
- 8000番の超細目の紙やすりでさらに磨きをかける
- これを繰り返すことで、希望の厚さになるまで金メッキを施す
写真を示しめますが、みんながうらやましがるような見事な金メッキの作品が完成しました。
実験を通じて、生徒たちは一定の安全上のルールを守りつつも自由に探索し、思い思いに楽しんでいました。金という皆さんが魅力を感じる素材を使った刺激的なテーマに、みんなとても集中して取り組んでいました。何度も何度も電解メッキを繰り返し、完成度の高い作品に仕上がるまで粘り続けた姿が印象的でした。