小学生の理科の実験教室【探Q教室】

今回の実験のテーマは火力発電の原理についてのものです。

講義の冒頭で、電気エネルギーがないとどれだけ不便になるのかについて理解させる話をして、停電の経験のある生徒さんもいたようで、実感をもって理解できたようでした。

日本では石油や石炭のエネルギーを利用せざるを得ない現状について話をして、それに代わる新エネルギーとしての原力発電や再生可能エネルギー(水力、風力、太陽光など)、核融合発電などについて話をしました。

特に、まだ研究段階にあって実用化されていないけれど将来のエネルギー問題を解決すると期待されている核融合発電の原料の一つとなる「トリチウム」の話をすると、今の処理水に関するニュースをよく知っている子どもたちがすぐに反応して、日本を取り巻く国際情勢の話にもなりました(慶進中学の入試(社会科)では時事問題も多く出されますので、よく勉強しているようです)。

今日は火力発電について理解を深めさせるため、ブタンガスを燃やして熱エネルギーに変え、それを水蒸気がもつ運動エネルギーに変換し、ファンを回して電気エネルギーに変換できることを解説しました。

火力発電の基本原理の解説

また、発電機が生み出す電気の強さの指標となる「電圧」を測定しようと思い、テスターを用意しました。テスターは様々な機能をもっているため、間違えた機能の選択をしてしまうと壊れてしまうことがあります。そのため、ロータリースイッチを切り替えることによりどのような機能に切り替わるのかを説明し、安全に使用するための方法を学びました。

また、電気配線をする関係で、導線と導線を接続する「はんだ付け」の練習もしました。最初は導線の表面のビニールをむくだけでも一苦労でしたが、徐々に慣れていきました。2本の導線をねじってつなぎ、熱いはんだごてにはんだを入れて溶接(はんだ付け)をしていきます。これも慣れないと、加熱しすぎてビニールが焦げたり、はんだが不十分で下地の銅が見えたりと、いろいろなことがありましたが、仕上がり具合を私が得点で評価するようにすると、子どもたちが高得点を狙って集中して取り組む姿が見られました。

次に、加熱して水蒸気を発生させる実験器具を組み立て、ガラス管の先から勢いよく発生する水蒸気を見ると歓声が上がりました。

丸底フラスコ内の水を加熱中

これに垂直尾翼型の発電機をセットすると、回りそうで回らないような状態を経て、設置する位置を工夫するなどしてようやく回り始め、1.3V程度を発電しました。

発電に成功した班のようす

発電の原理について学習できた一日となりました。

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