大学入試改革の研修会に参加しました【大学受験】

「いよいよ見えてきた大学入試改革!」と題する研修会に参加してきました。

この研修会では、大学入試改革を頂点として、それに続く高校課程、中学課程、小学課程がどのように変わっていくのかがよく分かるセミナーでした。

まず、「大学入試センター試験」は来年2020年の1月実施分で最終回となります。2021年1月からは新しく実施される「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」に変わります。

共通テストのスケジュールは、2021年1月から開始するのですが、これは「先行実施」と呼ばれる内容で、完全に新バージョンに切り替わったものではありません。まだセンター試験の出題内容を引きずっているものです。というのは、高校の教科書がまだ現行の内容で教育が進んでいるためです。

高校の教科書改訂(次期学習指導要領)の全面実施は2022年度からです。したがって、2022年度で高校1年生となる生徒が共通テストを受ける2024年度(2025年1月実施)の共通テストから本物(本格実施)になるわけです。

それを逆算しますと、現在の小学6年生(新中学1年生)が2025年1月に大学入試を迎える最初の世代ともなります。

ですから、現在の小学6年生には国が慌てて英語の「必修化」を導入しましたし、来年度はさらに1学年下の5年生から必修となるのです。

そのため、「新中学1年生」をキーワードとして念頭に置いて頂きたいと思います。

共通テストでは、択一式だったセンター試験に代わって記述式問題が導入されたり、英語は読む・聞くの2技能から4技能に転換されます。また、問題解決のプロセスを自ら選択しながら解答させたり、分野の異なる複数の資料を比較検討させる、日常生活と結びつけて考える、正解が1つに限られない問題の出題、選択式でありながら複数の段階にわたる判断を求めたりする内容とするなど、大きく変革します。

また、二次試験(個別試験、つまり各大学が作成する個別の問題)も「学力の三要素」と呼ばれる、『①知識・技能、②思考力・判断力・表現力、③主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度』をより正確に測定するためのものに変わっていきます。

研修会では、共通テストの見本を分析したデータが示されましたが、目立つものとして「問題文の文章量の増加」が挙げられます。

【センター試験】  ⇒  【共通テスト】
英語 … 26ページ、4200語 ⇒ 29ページ、5200語
数学IA … 17ページ、4000字 ⇒ 26ページ、12000字
国語 … 42ページ ⇒ 45ページ
化学 … 24ページ ⇒ 26ページ
世界史B … 24ページ ⇒ 31ページ

と、どの教科も増加傾向です。数学は国語の力も大きく関わってくると予想され、会話文を読み解く力など、従来の発想では数学とは関係が少ないと思える能力も身につけなければなりません。

英語でも準一級~一級水準の単語も出され、しかも注をつけないとのこと。したがって、前後の文脈からことばの意味を推測する力も試されます。

大学入試がこのように変革するため、高校入試もそれに類する変革がなされていきます。「知識・技能」はこれまでと変わることのないものの筆頭としてあげられますが、「思考力・判断力」では、長文を読み解く読解力や記述力がますます求められていくでしょう。

私たちが長年行ってきた「論理作文教室」など、国語に比重を置いた教育の必要性もますます高まっていくはずだと確信しました。

引き続き、入試トレンドの情報収集と研究をしながら、塾での教育に展開してまいります。

共通テスト2019a
共通テストに向けたタイムスケジュール

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