探Q教室で低温探究【小学生】

今年も液体窒素の実験の時期となりました。小学生を対象とした理科の実験教室「探Q教室」では、低温探究のために液体窒素を使った実験を定期的に行っております。

アドバンスコース生のお子さまやご家族が楽しみにして下さっていたようで、募集を開始して翌日には満席となりました。

液体窒素は、-196℃で沸騰する極低温の液体で、無色、無臭です。専用の保存容器(デュワー瓶)を持って、メーカーさんの工場へ受け取りに行き、教室に運んできました。

この日は、ガラス細工とセットにして実験をしましたので、事前の講義で、ガラス細工のしくみや仕方の説明、また、液体窒素について学習し、高温と低温を扱いますので安全教育も行い、十分に理解して頂く時間を取りました。ガラス細工では、L字管の作成を目指します。

講義中、いろいろな周辺知識をもっておくことも重要だという観点で、窒素の話の中で「触媒」という話をし、そこから自動車の排気ガスの浄化など、実は身近に使われている化学の力を紹介するなど脇道にも逸れました。

液体窒素2022a
解説時の様子

ガラス細工では、①ガラスをきれいに切る、②端を丁寧に丸める、③均一に加熱するため常にガラス管を回転させる、④加熱しすぎると柔らかくなりすぎるため温度に気をつける、⑤炎の外でゆっくりと所定の角度まで曲げるという細かい作業を短時間に同時進行しなければならず、最初はなかなか苦労されました。

しかし、2回、3回とするうちにだんだん慣れてきて、最後は毛細管(加熱した部分を勢いよく引き伸ばすことで、直径1mm以下の細いガラス管ができます)づくりもして、しなやかに曲がることや、細いけれども中がちゃんと空洞になっていて液体を通すことができることなどを確認しました。

ガラス細工2022a
自分で切ったガラス管の端を丸めています

また、液体窒素の部では、怪しげに白い煙を上げる大きな容器に興味津々です。そこから、小型のガラス製のデュワー瓶に液体を注ぐと、もうもうとあがる白煙に子どもたちは大はしゃぎします。

液体窒素2022c
デュワー瓶に注がれた液体窒素

各ご家庭から持ってきて頂いた様々なものを思い思いに投入してもらい、凍らせるとどのような変化が起きるのかを観察していきました。凍らせたバナナで釘を打つという定番の実験から、風船がどんどんしぼんでいき、また外に取り出すと戻っていく様子を観察したり、マシュマロを凍らせて食べてみたり…。

最後に、用意した薔薇などの花を瞬間冷凍して、手で握る感触まで楽しんで頂きました。

液体窒素2022b
瞬間冷凍した花が見事にバラバラになりました

このような実体験をすることを通じて、子どもたちの心に残った何らかの感動や記憶が、また、将来の夢や学習に対する動機や意欲につながることを願っております。

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