私の方では、慶進中学3年生を対象に、高校生の内容である「化学基礎」という教科に関する講義を行っています。
最近は学校の進度が、モル計算、モル濃度、溶解度へと進んできました。
この「溶解度」の部分は、教科書での説明のされ方がいつも分かりにくく、生徒たちを困らせる単元です。よく、以下のような公式が定番の解説として使われますが、基本パターンはともかく、実際の文章問題を見てこの公式を使いこなして解く生徒をいままで見たことがありません。
そこで、私の方では、中学受験の算数で指導している手法をそのまま使って解説することにしています。特に慶進中学生のように、「受験算数」を徹底的に経験している生徒の場合は、私が伝えたいことを容易に理解してくれ、すぐに解くことができるようになります。もちろん、上記の公式とは無関係に「図とイメージ力」で解いているのですが、結果的に、公式に沿っているものとなっているため、正しい解が得られます。
ちなみに、受験算数は、観念的な理解を求める中学・高校の数学とは異なり、現実に目に見える物の数量関係を扱うものであり、感覚で捉える訓練をするための科目だと私は考えています。その点で、算数と同じく、「現実世界」を扱う高校の「化学」という教科では、その訓練が役に立つ場面が多いことを日々実感しています。
また、中学受験を通して日本語での記述トレーニングもかなり積んできた生徒さんが多いので、生徒さんに、教室のホワイトボードに自身の解答を書いてもらうような場面で、非常に分かりやすい図や適切な言葉を添えて途中式を書きながら、論理的に整然とした解法で正解を導き出しているのです。今日はこの様子を見て、彼らの吸収力と表現力に本当に感心する場面がありました。
化学の指導を通じて、受験算数を学習するメリットをまた一つ実感することにもなった一日でした。