毎週火曜日に行っている小学生対象の「論理作文教室」ですが、本講座がスタートして早、ちょうど9年が経ちました(2012年1月10日が初回です)。
当時中学生を主に教える中で、記述式の解答が求められる傾向が増す時期だったのですが、何人もの生徒さんが解答として書いた記述を添削しながら、「なぜ採点者に正しく伝わるように書けないのだろう」という疑問を感じることが多かったことを鮮明に覚えています。中学2年生くらいでも、理科の記述式の問題に対して、非常に短絡的な短文しか書けないことに衝撃を受け続けて、それをなんとか改善したいと強く思っていました。
その結果、「こういったことは、より低学年の、心が柔軟なうちから取り組まなければならない」という思いから「論理作文教室(当日は論理教室)」の開講に至ったわけです。
しかし同時にまた、どうしてもまだ理解力が不完全な小学生たちに対して「論理的思考力」を養成することを教育的に実現しなければならないという難しい命題に立ち向かうことにもなったわけですが、私なりに小学生でも理解できる方法の開発に向けて、毎週授業を展開しながら試行錯誤を重ねていきました。
そうして、開講後は常にいろいろな取り組みを行って改善してきましたが、現在はそれらの中で意味のあると私が確信しているものだけが残って、演習を行っています。その中核となるものは全体授業による解説の後は、1対1の添削を行うことを軸に、漢字力、言語の聞き取り、具体化・抽象化の訓練、言い換えの訓練、小論文の作成などを軸にした教育を実践することで、例えば慶進中学で出題されている300字の小論文の試験問題に容易に対応できていることから、間違いのないものだと確信しています。
最近では、さらに、「発表」で表現することを取り入れ、他者の評価を受けて改善するといったことも指導しています。文章の中の「伝えたいことを抜き取り、それを要約して表現し、言葉で具体的に補足説明をする」ということは非常に難しいことですが、1年程度以上履修されている生徒さんには、これを実践して頂いています。
スライドを使って何かを発表して説明するといったことは、中学校、特に私立中学校ではその機会が多く、どのように書いてどのように話せば正しく伝わるかということを経験しておくことは何かとためになるはずです。もちろん、読書感想文を作成するような場面でも、これらの技術が役立つはずです。
このような内容で、毎週の授業を積み重ねております。