化学の研究について

化学の話が続きます。9年ほど前のことになりますが、ブログで化学の研究についてコメントしていました。

大学で研究する中で、私が世界的なエネルギー問題に貢献しうる新物質を発見し、論文を投稿・公開するとすぐに新聞の取材が来て、私自身が制作した装置が写真に収められたことが思い返されました(下の写真がその記事です)。

記事にあるように、簡単にいうとこの物質は、家庭の「都市ガス」(メタンガス)から「ガソリン」のような液体燃料を作るはたらきがあります。地球には、純度が低く、資源として利用しづらいメタンガスが大量にあるとされ、それを液体燃料に効率的に変換できれば、エネルギー資源の有効利用に役立つというものです。

約30年前のかなり古い写真ですので写りが良くありませんが、高い圧力に耐えるステンレス製の配管と高温でも変形しにい純石英製のチューブ、電気炉とその制御装置を組み合わせて自作した反応装置が収められています。

新物質を加熱して反応させる電気炉(写真の下から3分の1のところの円筒形のもの)には、200℃から950℃まで自由に温度を変化させることができる温度コントローラーを取りつけました。この電気炉に合わせて設定(チューニング)すると、見事にその指定温度を一定にキープするようになるのを見て、その巧みな制御に感心したものです。

私は小学5年生くらいの頃から自宅で基本的な理科実験を始め、その後数年、勉強の合間にもよく実験を繰り返していたため、その楽しさを体で感じていました。さすがに大学受験期はできず、その後大学に入学しても寮生活だったため実験から数年間遠ざかっていましたが、大学3年の頃の学生実験で勘を取り戻し、やはり改めて実験の楽しさを感じたものです。

4年次に研究室に配属になってからは、実験の日々で、毎日生き生きとしていたことを思い出します。

新物質の発見後に懸賞論文に投稿したところ、個人的に30万円の賞を頂いたり、指導教官の力で研究室にはそれより2桁多い研究資金が入るなどし、博士課程を卒業するまで、装置の購入などでかなり余裕を持って過ごすことができ、さまざまなテーマの実験を経験させて頂きました。

その私の恩師は、今もエネルギー問題の解決に向けて現役でご活躍のご様子です(西日本新聞ニュースの記事、2019年)。

以上、9年前のブログに続く内容として、執筆しました。

このようなことを子どもたちに体験して欲しいという思いから、小学生に理科実験を体験させる教室(探Q教室)を新たに作り、7年が経過しました。今年度は環境の変化からまだ開催できていませんが、探Q教室は現在も進行形です。9月から再開できればと思っております。

新物質発見新聞記事2020a
新物質発見の新聞記事(1991年12月)

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