小学4年生から6年生までが在籍する「論理作文教室」の様子をご紹介します。
最近の本教室では、
①ことばを聞いてイメージ化し、内容を理解する力の育成
②短時間活字を見て覚え、それを書き出す技術の習得
③ことばの字数を自由に調節する技術(抽象・具体化)の習得
④自由短文の作成による表現力の向上
⑤国文法(主語・述語 等)、品詞の役割(形容詞→名詞 等)の理解
⑥タイトルに沿った小論文の作成
を軸に、その他、短小説の読み聞かせや、生徒の音読など、国語力を向上させる取り組みを行っています。
①②は、学校での授業の吸収率を高めるために考案したもので、もうずいぶんと継続して実践しています。
③~⑥は国語の試験で問われる「文字数制限付きの記述問題」などへの対応力を上げるためのものです。最初、全く書けないか、短いことばでしか書けなかった生徒も、字数を伸ばす力がついてきました。
さらに、
⑦短い映像を見て、ことばで内容を表現する技術の向上
⑦を新しい取り組みとして今後取り入れてみます。そのため、プロジェクタも活用してみます。
生徒の中には、4月に新しく入塾された時はスピードが遅くて大変だったり、字を書くことを面倒がったりする子もおりましたが、上の学年の子どもたちのスピードについていこうと一生懸命になっており、今ではついてきております。
また、受験を控えた6年生にとっては、表現力・記述力が伸びたと感じています。もちろん、慶進中学の入試に出題される300字の記述問題は難なくクリアできます。
ここで、難易度の高い中学校の入試問題の中での、記述問題の例を紹介します。フェリス女学院中学校(偏差値66、久留米大学附設中学水準の学校です)の過去問からです。
少し哲学的な内容で、
「昔のくみ取り式便所は落ちたらおしまいで、下にはどろどろの地獄が見える。そうなると、身がひきしまり、想像力も鋭利になるのだ。」 (赤瀬川原平著『目玉の学校』(筑摩書房)より)
という一節がある箇所に着目して作られた問い、
下線部の「身がひきしまり」とはどういうことですか。
について考えてみます。
生徒たちは、「集中すること。」などと回答しています。これは間違いではありませんが、これではとても低い部分点しか得られないでしょう。
これを、「危険なときに集中力が上がること。」や、「危険に対して体が緊張すること。」などと解答しなければマルにはなりません。
前者は、一定の指導後、生徒自身が編み出した解答で、後者は模範解答です。
伝えたいことを具体化する技術だけでなく、ある程度の分量のことばを適切にまとめる技術(つまり、上記の③のことです)は国語力の根幹を形成するものです。
このように、ことばを自由に操る技術を教えることをひとつの基軸とした教室を目指しています。