平成32年度に始まる大学入試センター後の大学入学共通テスト(仮称、以下『共通テスト』)で求められるとされる「思考力・判断力・表現力」をどう伸ばせるかが今後の塾の意義を決めるひとつのポイントになると思われます。
横断的知識の活用力や記述力を伸ばした状態で高校受験、大学受験へと送り出す必要があります。
徳進館進学ゼミナールでは、小・中・高の約8年間の一貫教育ができるというメリットがあり、小学生から柔軟な思考力や自然科学への興味関心を引き出すといった難しい命題をクリアするために、探Q教室(理科の実験教室)やプログラミング教室、そして、難解な受験問題への対応を行うなど多方面から思考力を伸ばす取り組みを行い、難化すると言われる共通テストに通用する学力の養成を早期から目指しております。
この夏の夏期講習に話を変えますと、講習中にも実験を行ったり、歴史かるたを使用したりといった体験的な学習の時間をとりました。ふりこの実験では糸の長さを4分の1にすると周期が半分になることを確かめるなどの体験をしました。
そして、中学受験を控えた小学6年生対象の講習では「国語」の対策に特に力を入れ、また、設問を読み解く力を上げ、ミスによる失点を防ぐための技術を具体的に実践してきたわけですが、このように国語に特に力を入れたことは、文章を正しく読み解く力の向上につながるはずですし、その結果、前述の横断的な知識を問う長い文章でつづられた問題への対応力をも増すはずだと考えています。
持論ですが、『国語力を伸ばすことは、一挙両得』なのです。
さて、慶進中学校のプレテストが終わり、早速ご父兄の方から問題を頂いたり、学校で語られた解説を要約した用紙を頂いたりし、有り難く拝読させて頂きました。
問題を見ますと、国語、算数ではおおむね従来形式を踏襲しているものの、理科、社会では、大きな変化が加えられたことが分かります。
昨年でも国語以外の理科などでも読解力が求められる問題が出題されていましたが、今年からは、理科では大問数を従来より1問減らすほどの文章量に増えていました。『理科というより、国語です。』というのは言い過ぎですが、国語と算数の要素が強い問題が出題されていたのです。
社会では、昨年は、「グラフから読み取れるもの」という問題が「挿入的」に出題されていましたが、今年はグラフと表が「見開き一杯」に印刷されるほどの「大問」に成長していたのです。しかも、「バレル」や「円相場」などの専門的用語が使われたデータまでが示されているため、多くの受験者は戸惑ったであろうと思われます。
それでも、読み解くべきところは、グラフの意味と設問の意図です。夏期講習で指導した通りに線引きや丸付けをするか、心の中で同様の読み方をしてくれていれば、何らかの形で解答を導けたはずです。
このような読解力や思考力を試す問題の延長線上にある「共通テスト」に対抗する思考力を十分つけるには、明らかに中学や高校から始めては他生と比して不利になるという側面がありますし、上記のような大人でも驚くような問題を小学生が解けるようになるには低年齢からの特殊な教育環境も必要です。
もちろん家庭環境に負うところが大ではありますが、塾としては、小学生のうちから様々な経験と学習を体験させる環境を提供し、ベースづくりの一端を担うことが必要だと考え、日々改良しています。