化学基礎講座での化学実験【高校生】

毎年4月に始める化学基礎講座では、元素の性質、イオン式やモル計算、中和反応を終えて今月から酸化還元反応の学習に入りました。

本日、酸化還元反応の半反応式を学習したところで生徒さん自ら手を動かして化学実験をして頂く時間を取りました。

実験の内容は、ヨウ化カリウムに希硫酸を入れ、過酸化水素水を滴下すると無色のヨウ化物イオンが酸化されて褐色のヨウ素が析出するというものです。ここで、希硫酸を入れないと水素イオンが不足するため反応がうまく進行せず、過酸化水素の分解(と酸素の発生)が見られるというものです。

ちなみに、過酸化水素、特に35%の原液は手についてしばらくすると皮膚が白化し、鋭い痛みを感じるようになるほどの酸化力があります。そこで、注意を促すために、大学の研究室で私自身がいろいろ「してしまった」危険な経験談をしますと、みんな興味津々の様子になります。

とにかく「危険だ」ということは頭で理解できたことと思います。

ともかく、このような教科書での学習だけでは得にくい「感覚的な記憶」をつけるには、実験を体験させることはひとつの方法だと思います。

今日は、2人ずつペアになってもらい、まずじゃんけんします。どちらも同じ反応を行うのですが、その際に、勝った方は反応液の中に希硫酸を入れることができます。そうすると前記の通り、化学反応での色の変化が劇的となります。負けた方は、入れないのですが、また違う反応が観察できます。

2人ペアでその違いを観察し合い、化学反応を楽しめたところで終えました。

今日のヨウ化物イオンの酸化還元反応については、よく理解できたことでしょう。

化学基礎2016b
化学反応によって析出したヨウ素

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