年が明けて最初の化学基礎の授業となりました。
年末年始をはさんで授業が2週間ぶりとなったため、いろいろ忘れてしまっているだろうということで、化学の基本を思い出させる内容で授業を始めました。
理科を伸ばすポイントに、「言い換える力」が大きく関係していると考えています。いわゆる「公式」は「言い換える力」を定式化しようする1つの形態ですが、理科(もしくは数学でも)では公式だけではないところがポイントです。たとえば次のような問題を例に考えてみます。
Q.
2.0mol/L水酸化ナトリウム水溶液の密度は1.1g/cm3である。この水酸化ナトリウム水溶液の質量パーセント濃度はいくらか。
この問題は、短い文章です。模試やセンターレベルにおいても基本問題です。それでも、恐らくこれまで高校で化学を学習してきた宇部高1年生であっても、半数強は3分で解けないと思われます。
本講座で訓練を受けてきた高校1年生は、3分で解くことのできる生徒も多くおります。しかし、全員が解けるわけではないことも事実です。
それを見越して、今日の授業では事前に「言い換え」の練習を行いました。
「2.0mol/L」とはどういう意味でどういう記号で表すか、「密度1.1」を別の表現に置き換えるとどうなるのか。
これを自作のプリントに沿って学習しました。
初見の問題を見て、その場で解くような天才肌の生徒は、言い換えを自ら編み出して考えているはずです。しかし、多くのそうでない一般の生徒は、言い換えに関する体系的な知識を覚えておく必要があると思うのです。
まったくペンが動かない生徒にとっては、このような知識があれば、それを頼りに、少しずつペンが動くようになります。次のようなイメージです(事前に指導した言い換えを使っています)。
「言い換え」を手掛かりに、線(あるいは点)でしか読み取れなかった問題の周辺に、面が広がっていきます。特に初学者にとっては、無地の答案に何かを書き始めるための「手掛かり」が必要なものです。
そうして、「抽象的」な問題を、より「具体的」な情報に変換していくうちに、気づき、解を導き出せるようになります。
このようにして、ペンが止まることを防ぐ訓練もしていきたいと思っています。