化学基礎講座での実験の一幕

化学基礎講座では、物質量に関する計算がずいぶんと進み、化学反応式から物質の量的関係が導き出せるようになってきました。

濃硝酸と金属銅が反応すると赤褐色の二酸化窒素が生成するという話になった段階で、これを実際に見てみることにしました。

用意したデュラン瓶の容積が500mLであるため、ちょうど500mLの二酸化窒素を生成させるのに必要な金属銅の質量を生徒たちに計算させ、1名の生徒に実際に銅板を少しずつ切り取ってもらいながら、計算通りの銅を量り取りました。

そして、濃硝酸と反応をさせると、たちまち赤褐色の二酸化窒素という気体が発生し、下の方から溜まっていく様子が観察でき、塾生はみな一様に驚いた様子でじっと観察していました。

気体の臭いについて嗅いだ経験がないかを尋ねると1名の生徒が「道路で?」と言ってくれ、まさにバスやトラックなどの排気ガスの臭いであることを説明しました。これらの乗り物はディーゼルエンジンであり、その動作原理と効率が高い反面、内部の燃焼温度が高いため、空気中の窒素が酸化され、二酸化窒素が発生してしまうことなどを解説しました。

そこで、最近、マツダが二酸化窒素の発生がほとんどないという画期的なディーゼルエンジンの市販化に成功したことを紹介し、山口県民としてもそのしくみを熱く語ることになりました。

また、近未来的な水素エンジンの話をして、水素と酸素が反応したときの威力を体験させるため、500mLの容器を用意しました。気体を入れ、電気を暗くし、点火すると青白い旋光とともに激しい音が鳴り…、恐らく忘れられない体験になったことと思います。

何名かの生徒が二酸化窒素の容器の写メをとって帰ったほどで、その関心の高さがうかがえました。お陰様で、私自身も大いに達成感を味わうことができました。

ちなみに、化学実験の有資格者(甲種危険物取扱者免状所持者)である塾長が演示実験を行っております。

二酸化窒素2012b
はかり取った金属銅

二酸化窒素2012a
生成した二酸化窒素

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