私が中学生に行っている授業の中では、旧「日本語訳をそれらしく作ることを優先する指導」だけではなく、ネイティブの人が前から読んで当たり前に理解できる「英語独特の感覚」を伝えられるように、逆を言えば、返り読みを減らしても理解できるような指導に力を入れてきました。それが、結果的にリスニング力につながったり、長文読解につながっていくはずです。特にリスニングに関しては、「聞き取れているのに、1回では意味が理解できない」という現象の回避のためにも役立つような指導をしてきました。
例年では、夏休みくらいまでは文法の習得を優先し、夏期講習の頃からそういった長文を読みやすくするための指導をしてきましたが、前回の教科書改訂以降、英語教育のスピードが上がっていることもあり、少しでも早い段階からそういった感覚を磨いていけるように、4月からガンガンに、英語を感覚で捉えることができるようにするための解説を行っています。
現実として、ネイティブの3歳児でも相当な英語が話せるわけですが、彼らはまさにイメージで話をしているはずであり、イメージだからこそ話せているとも言えるでしょう。少なくとも多くの日本人の大人の世代がするような、「Iは私で、in the parkは公園で、played tennisはテニスをした、だから、私は公園でテニスをした。」といった理解の仕方はしていないのです。
そういったことを踏まえて指導をしています。今期は、4月末のこの時点では、take、have、toなどの、いわゆる基礎動詞・前置詞については相当なイメージ的な解説をしましたので、多くの生徒さんが「こういう感覚」ということが言えるようになりつつあると感じられるようになりました。若いということは頭脳の柔軟性があり、本当に素晴らしいことだと日々思っており、英語についてだけでも、子どもたちの無限の可能性を感じます。
今はまだ習い始めの段階ですが、このようなことを私自身が工夫していくことで、生徒たちが例年よりも長文を速く読め、また、リスニングの解答の精度を上げられるという成果が得られるように、今まで以上に頑張ってみたいと思っています。