今週は、地球と木星がほぼ同じ側に位置する関係で、木星との距離が近い状態(衝)になります。地球や木星の軌道は完全な円ではなく、中心のずれた楕円であるため、同じ衝でも年によって距離が変わるのですが、今年は特に近く、この距離まで近づく大接近(一番遠いときの約90%)となるのは71年ぶりだということで、教室の望遠鏡を取り出して、木星の観測を行うことにしました。
まだ日没間もない時間でしたが、-3等星で輝く星を肉眼でもすぐ確認することができました。そして、望遠鏡をその方向に向けて、接眼レンズ上に映る状態で自動追尾を開始しました。間もなく、どアドバンスの中学3年生たちが徐々に来塾する時間帯になったので、一人ひとりを呼んで、木星を観測してもらいました。
ちょうどこの時は、木星の4つの大きな衛星(ガリレオ衛星)のうち3つがきれいな三角形の並びで見える時間でした。木星の特徴の一つである大赤斑も見えるはずですが、まだ高度が低かったため見づらく残念でしたが、木星の赤道近くの2本の縞模様だけははっきりと見ることができました。
またついでに、木星の近くにある土星も観測しましたが、輪がとても見やすい状態で、初めて肉眼で見た生徒の中には「わー」っと嘆息を漏らす人もいました。
ほんの30分程度の観測会でしたが、何かが心に残って、苦手な生徒が多い天体分野への興味が増せばと思います。