2023年度の山口県立高等学校の入試の分析から2024年度入試を読み取るための詳細な情報を得るため、入試セミナーに参加しました。
毎年全国の県立高校の入試問題を全て解いているという講師が、山口県で出題されている入試の特性などについて1時間強も話をされました。今現在中学3年生である生徒は、前回の教科書改訂をしっかり3年間学んだ初めての世代のため、それに対応して出題の難易度が高めになることが心配されます。
5教科全てについて細かい話がありました。例えば国語では、2025年度の共通テストから実用文(サンプル問題では、マンションの駐車場の契約に関連したといった話)の大問が20点分追加されることが決まっているため、それに向けた高校入試の布石として、「資料を読み取る大問」の出題傾向が強まっており、全国の5割を超えてきているようです。また、理科でも半数超えの県で、新課程の「イオン化傾向」などが出題されています。数学でもデータの読み取り(箱ひげ図など)の前倒し出題の傾向が強まり、文章的にちょっとした引っ掛けの表現が増えています。結果、山口県の数学の平均点は、全国ワースト5に入るほどです。
このように山口県は、数学の難易度が高めとはいえ5教科のバランス重視型の出題傾向で、どの科目も同程度の難易度にうまく揃えてきています。それは、5教科の平均点が50点満点中24±3点に収まっていることからも、その精度が伺えます。2021年度はコロナによる休校の影響で出題範囲が縮小され、過去5年で例のないくらい高い平均点(146点)となりましたが、それ以来下がり続け(つまり難化傾向)、昨年は126点と、20点も下がりました。
入試問題の難化傾向が続くことは間違いありませんので、塾としてもそれに対応した指導を心がけ、改善を行ってまいります。