歴史の学習を終えた6年アドバンス生(探Q教室生)を対象に、佐賀の吉野ヶ里遺跡を見学する日帰り旅行に招待しました。
参加者の全員が受験生であるため、この機会に、プリントを使って古代日本史の学習を事前にして頂きました。そして、参加のための難しめの試験を用意し、再試験になった生徒もおりましたが、最終的には全員がクリアできたことで参加にいたりました。単に見学して楽しいだけではなく、正しい古代の知識(もちろん中学入試にもつながる知識)をもって見学をすることに意味があります。
さて、この日は朝7時半に塾を出発し、まず、遺跡近くの工場を見学しました。九州最大級の醗酵タンクを有する、アミノ酸の製造工場です。ここでは、サトウキビなどを原料に、旨(うま)み成分となるアミノ酸を製造しています。
説明会場で工場の歴史や製品が作られるまでの工程がスライドとともに説明され、また、旨みの体験もあり、よく理解することができました。
歴史室では昭和初期の製品やモノクロのCMなどを見ることで、その長い歴史を実感することができます。また、クリーンルームに入るための防塵服の試着もできました。服があまりに体を密封するため、「暑い、暑い」と大騒ぎとなる場面がありました。
工場の敷地内は専用のバスで移動し、ガイドの方の丁寧な説明とともに設備を見たり、映像で工場内部の様子が紹介されるのを見たりしました。
見学後、すぐに吉野ヶ里遺跡に移動しました。あいにく、風が強く、楽しみにしていた火おこしの体験ができませんでしたが、代わりとなる土笛づくりの体験を行いました。渡された粘土をこねて、形を整え、穴を開けて、音が鳴るように口の部分を整えるなど、音が出るまでにはかなり苦労したようです。
昼食後は、遺跡を散策しました。事前に調べていた、「高床倉庫」「竪穴住居」「物見やぐら」「ねずみ返し」「環濠」などを観察しました。また、古代米のもみ取りも体験でき、石包丁も上手に使っていました。
物見やぐらからは遺跡全体を見渡せ、古代の人が侵入者を見張っていたとされる一説を理解することができました。
さらに、金印や銅鏡の製作体験も行うことができました。鋳(い)型に、金属が付着するのを防止するための粉をまぶして準備を行い、ビスマスとスズ系の低融点合金を鍋で融かして流し込みました。
10分ほど待つと冷えて固まり、取り出すことができます。やすりやサンドペーパーで磨いて完成です。全体で60分ほどかかりました。
そうこうするともう夕方です。帰りの車中も、誰も眠ることもなく、ずっと楽しいおしゃべりが続きました。
今日は、事前学習と実際の社会見学を通じて、日本の古代史の知識を深める一日となりました。