歴史の学習を行っている探Q教室の6年生を対象に、社会学習会を開催いたしました。
事前に、アドバンス生には古代の日本史をしっかりと暗記して頂き、参加ための記述形式の試験を課しました。
氷河時代に始まり、弥生土器が作られた5世紀ごろの日本史が出題範囲です。「打製石器」、「稲作」、「銅鐸」、「卑弥呼」、「前方後円墳」、「百済」、「須恵器」などの用語が並びます。記述形式のため、少し難しかったようですが、全員見事に1回で既定のスコアをクリアしました。
中学受験でも必出の日本古代史。知識としてもしっかりと身につけ、その上で実際の復元遺跡を見たりさわったりすることで記憶を定着させることが目的の学習会です。
出発当日の朝に、出土された金印の文字など、いくつかの基本事項を改めて質問しましたが、塾生はしっかりと答えることができました。
朝7時半に塾を出発し、まず、遺跡近くに位置するアミノ酸の製造工場に到着し、その見学を1時間少々行いました。
人が感じる甘味、塩味などのほか、うま味(アミノ酸)について詳しく解説され、実際にアミノ酸抜きの味噌汁との味の比較を行い、全員が「おいしくなった」「味が濃く感じた」とコメントしました。
工場の歴史室では工場全体の仕組みの模型があり、原料から製品にいたる過程が一望できます。また、専用のバスで敷地内を移動し、ガイドの方の丁寧な説明とともに実際の設備を見学しました。
その後、吉野ヶ里遺跡に移動しました。あいにく、前日の雨で火おこし体験はできませんでしたが、勾玉(まがたま)づくり、金印製作を行いました。溶岩石を砥石代わりに原料の石材をどんどん削って、形に近づけていきます。
形が仕上がったら、表面を紙やすりで磨きます。凸部の大きいところから優先的に削れていくため、みるみるうちに表面がつるつるしてきます。その様子に子どもたちは「おぉー!」と感動の声を上げています。
遺跡散策では、「竪穴住居」「高床倉庫」「物見やぐら」「ねずみ返し」「環濠」などを観察しました。また、高床倉庫のねずみ返し付近のスケッチも行いました。
物見やぐらに登ると見晴らしがとてもよく、むらを一望しながら、「これだと敵が来たら、すぐに戦いに出れる」とつぶやいていました。また、周囲が深い環濠や乱杭で囲まれており、敵が侵入しにくいつくりになっていることをしっかりと確かめました。
高床倉庫や竪穴住居など、知識としてはもっていても、「あ、この風景、教科書にあった!」とか、住居の中に入るとかび臭いにおいがして、「なんか古いにおいがする!」など、テキストや問題集だけでは決して得ることのできない、視覚・嗅覚・触覚を大いに刺激した情報を体の中に吸収しながら、実体験ができたことは本当に貴重な時間になったと思います。
特に、同じ学習者とともに行き、体験し合うことに意味があるようにも思います。歴史に興味をもっている生徒も多いので、古代史へのロマンを胸に、これからますます興味をもって学習に励んでもらえたらと願います。
日本の古代史の面白さを体験する一日でした。