冬期講習の中での国語の授業の一幕です。
私自身「よく考えられた問題だ」と感じ、時々、生徒への読解演習として取り上げている慶進高校の国語の入試過去問があります。本日もこちらを授業で扱いました。大問1と大問2で構成されていますが、そのどちらも、高校生になる生徒たちに「これから何を考えて学んでいくのか」を静かに問いかけてくる内容です。
大問1では、身近ないくつかの例を通して、道徳を「教え込むもの」とするのか、それとも「考え続けるもの」とするのかが問われています。私は、この問題を作成された先生方は、単に模範解答を書ける生徒ではなく、価値観の違いに向き合い、自分なりに判断しようとする姿勢を見ておられるのだろうと感じています。授業では、あえて結論を急がず、「なぜそう感じるのか」「立場が変わればどうか」と問い返しながら考えさせました。文章中にある「時間をかけて考え抜く手続き」とは、まさにその姿勢そのものだと思います。
大問2は、「なぜ古典を学ぶのか」という、高校国語の根幹に関わる問いでした。古文や漢文は遠い存在に見えがちですが、今の日本語がどのように形づくられてきたのかを知る手がかりでもあります。授業では、文体の違いを確かめながら、古典が単なる暗記科目ではなく、日本の国民性を形づくる上でも大切なものであることを伝えました。言葉の背景を知ることで、ものの考え方も少し広がります。
入試問題は、その学校からのメッセージです。「正解のある問い」だけでなく、「簡単に答えの出ない問い」に向き合える生徒を求めているようにも感じます。その入口として、今回の問題が作成され、これから高校生になる生徒たちに読ませているのだろうと感じました。受験生の皆さんには、点数だけでなく、こうした問いそのものからも何かを受け取ってほしいと思いますし、私自身も、単に受験的なテクニックだけではなく、そうした視野の広い考え方を育てる授業を、今後も意識していきたいと考えています。


