「効率」という理系的発想を体感【探Q教室】

小学生を対象とした理科実験教室を実施いたしました。今回のテーマは、「効率」という理系的な発想を実体験を通じて探究することでした。

実験では、ガスバーナーを用いてカセットコンロ内のブタンガスを燃焼させ、その熱によって水を加熱しました。生徒たちは、ストップウォッチを使いながら一定の秒数ごとに水温を測定し、記録を取っていきます。水を混ぜ、時間を測り、温度を読み取り、記録するという多くの作業を同時に行わなければならない、非常に忙しい実験となりましたが、それでも生徒たちは集中力を切らすことなく、むしろ楽しみながら取り組んでくれていた様子が印象的でした。

ブタンガスで水を加熱します

温度が一定の上昇幅に達したところで実験を打ち切り、ガスボンベの重量変化を計算します。この工程を火力の強弱を変えながら複数回実施し、どの火力が最もブタンガスの消費を抑えつつ効率良く加熱できたかを、データとグラフを用いて考察しました。

教材の算数のように、すべてが整った数値にはなりません。自然界での計測には必ずばらつきが生じます。そのため、生徒たちはグラフの罫線を丁寧に読み取りながら、自らの手で考察を進める必要がありました。小学生にはやや難易度の高い内容とも言えますが、これまでに学習してきた「小数の割り算」の知識を活用し、一定温度あたりに使ったガス量を計算して比べるなど、皆それぞれに真剣な表情で取り組んでくれました。

生徒が作成したグラフ

やがて、生徒同士の間で「おお、これが一番効率いい!」といった高度な会話が自然と交わされるようになり、単なる知識としての「効率」ではなく、経験としての「効率」が彼らの中に根づいていることを実感しました。

理科の学びにおいて重要なのは、目に見える現象と数値との関係を自分の頭で整理し、納得することです。本日の体験が、その一歩となってくれることを願っています。

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